山本 真鳥 の プロフィール


Last Updated: August 23, 2018



経歴:1981年東京大学大学院社会学研究科(文化人類学専攻)満期単位取得退学。日本学術振興会奨励研究員を経て、1984年より法政大学経済学部助教授。1990年より同教授。1978年より2年間合衆国東西センター(ハワイ州)留学。1990年より2年間、カリフォルニア大学バークレー校人類学部客員研究員。2001年より、国立民族学博物館客員教授(2004年度まで)。2011年4月〜2012年2月ハワイ大学マノア校人類学部客員研究員、東西センター客員研究員。2016年4月〜2021年9月、放送大学客員教授。2021年4月法政大学名誉教授。


研究:オセアニア地域の文化人類学研究。ポリネシア、特に西サモアにて長くフィールド調査に従事。その他太平洋諸島各地を訪問。主として、伝統的政治システム、交換システムの研究。社会文化変化の研究。最近では、ポリネシア人の移民研究をもっぱらにし、サンフランシスコ、ホノルル、オークランド(ニュージーランド)の移民コミュニティにてフィールド調査。さらに最近は、太平洋島嶼国家の国民文化に関心を深め、「芸術とアイデンティティ」のテーマで太平洋芸術祭の研究を行っている。


1996年までの主な業績

  1. 著書『儀礼としての経済――サモア社会の贈与・権力・セクシュアリティ』(山本泰との共著)東京:弘文堂、1996年。

  2. 訳書『歴史の島々』(マーシャル・サーリンズ著)東京:法政大学出版局、1993年。

  3. 訳書『サモアの思春期』(マーガレット・ミード著、畑中幸子と共訳)東京:蒼樹書房、1976年。

  4. 論文「反植民地主義のセクシュアリティ」『社会人類学年報』第20巻, pp.111-130, 1994年。

  5. 論文「ファレアタの構造――サモア社会における称号システムの事例研究」『国立民族学博物館研究報告』9巻1号, pp.151-189, 1984年。

  6. 論文 'The Territorial Organization of Faleata : A Case Study of the Title System In Samoan Society'. 013 Senri Ethnological Studies (SES) no.021 Cultural Uniformity and Diversity in Micronesia vol.6, pp.205-37, 1987

  7. 論文 'Urbanisation of the chiefly system: Multiplication and differentiation of titles in Western Samoa.' The Journal of the Polynesian Society. vol.103 no.2, pp.171-202, 1994.

  8. 論文 'Transformation of exchange valuables in Samoa. Man and Culture in Oceania vol.6, pp.205-37, 1990.

  9. 報告書「現代移民と文化葛藤――ハワイに移住したサモア人の生活史研究」トヨタ財団へ提出の研究報告書、1992年。(未発表)

  10. エッセイ「熱帯はなぜ悲しいのか――レヴィ=ストロースと旅」『大航海』1995年5月号、新書館。

  11. エッセイ「もう一つの東西分離――南太平洋の東西サモア」『法政通信』1989年9月号、法政大学通信教育部。

  12. 書評:山内昶『経済人類学の対位法』、『民族学研究』59巻3号、1994年。


1996年以降の業績一覧

  1. 著書『儀礼としての経済――サモア社会の贈与・権力・セクシュアリティ』(山本泰との共著)東京:弘文堂、1996年。

  2. 論文「移民社会とホームランド――サモア人の経験」山下晋司編『岩波講座文化人類学 第7巻 移動の民族誌』東京:岩波書店、1996年11月。備考:『岩波講座文化人類学』は全13巻、現在2ヶ月に1度の割で配本中。

  3. 論文「贈与交換と社会構造」『岩波講座現代社会学 第17巻 贈与と市場の社会学』東京:岩波書店、1996年11月。

  4. 論文 'The Strategy of Japanese Anthropologists' アメリカ人類学会第95回年次大会(1996年11月20日‐24日、サンフランシスコ), Session 1-011/Anthropology: A Critical Review from Japan にて発表のペーパー。(未発表)(このwwwページで公開中。)
  5. 論文「多文化状況下のポリネシア文化」:田村克己編『文化の生産』京都:ドメス出版。国立民族学博物館にて開催の同名シンポジウムの報告書。 (これも校正に入ってますので近々でます。) 

  6. 論文'Samoan Diaspora and Ceremonial Exchange'. Population Movement in the Modern World/ Contemporary Migration in Oceania: Diaspora and Network. JCAS Symposium Series no.3. Osaka: Japan Center for Area Studies. 1997年、11月。

  7. 翻訳:「甘さの悲しみ」(マーシャル・サーリンズ著)『思想』(岩波書店)1997年11月号、1998年1月号。(Marshall Sahlins, 1996, Sadness of Sweetness, Current Anthropology 37)

  8. 編著『植民地主義と文化』:日本オセアニア学会94年研究大会でのシンポ「オセアニアの植民地主義」と日本民族学会95年研究大会でのシンポ「植民地主義と文化」をまとめて、『植民地主義と文化』の表題で出版。山下晋司との共編著、新曜社。1997年12月。3200円で発売中。

  9. 論文「フィールドノート・サモア移民の「伝統的」団体旅行」『法政大学多摩論集』第14巻1998年3月。

  10. 論文「壁のない社会――サモア/首長制社会/西サモア」:佐藤浩司『住まいはかたる』シリーズ建築人類学第3巻。 京都:学芸出版社。やっと出ました。編者の厳しい要求に何度もメジャー・マイナーな書き直しをしました。他の著者の皆さんも私と似たような経験をなされたようなので、とてもよい本にできあがっているはずです。佐藤のアンチキショーと思ったこともありましたが、今は成果あれば憂いなし。(1999年1月発売、2800円)

  11. 論文「多文化状況下でのポリネシア文化」田村克己編『文化の生産』20世紀における諸民族文化の伝統と変容4、ドメス出版。(1999年1月発行、6000円+税)

  12. 論文「近くて遠い隣人たち―西サモアとアメリカ領サモア」吉岡政徳・林勲男編『オセアニア近代史の人類学的研究―接触と変貌、住民と国家』民族学博物館研究報告別冊21号、2000年3月発行。

  13. 論文「第8回太平洋芸術祭調査に向けて」須藤健一編『JCAS連携研究成果報告書』第2巻、2000年3月発行。

  14. 論文「隙間に生きる人々――あるサモア移民家族のハワイ暮らし」森廣正編著『国際労働力移動のグローバル化』比較研叢書第15号、2000年3月発行。

  15. 編著『オセアニア史』新版世界各国史シリーズ、山川出版社、シドニー・オリンピック目指して頑張りました。(2000年8月25日発売)

  16. 論文 'Polynesian Identity in Multi-cultural Contexts.' The New Pacific Review 1(1): 68-76 ('L'identite polynesienne dans des contextes multiculturels.' La nouvelle revue du pacific 1(1): 72-82) December 2000. 1999年7月にNew Caledoniaで行われた、Pacific Identity会議の記録。

  17. 編著『太平洋島嶼国における芸術とアイデンティティ――太平洋芸術祭を焦点として』科研費研究成果報告書、2001年4月15日。

  18. 論文 'The Meaning of the Samoan Way of Life in the United States. Journal of International Economic Studies 15: 53-64. March 2001.

  19. 論文 'Anthropological Study of Gender and Sexuality in Japan.' Japanese Review of Cultural Anthropology 2: 105-137, 2001。

  20. 教科書、山中速人編『マルチメディアでフィールドワーク』の2章分担当(pp.23-37, pp.137-149)、第2章「人と交わり観察する―参与観察」・第10章「観る側と観られる側の裂け目から―調査者のモラルと課題」。CDrom付きで、執筆者の調査を体感できるプログラムが入っています。有斐閣、2002年4月刊、好評発売中。増刷決定!

  21. 法政大学通信教育部教科書、中島成久編『文化人類学』の第3章「家族とジェンダー」・第4章「交換と経済」・第5章「政治とリーダーシップ」(pp.62-154)。2002年3月刊。一般に販売はしていませんが、政文堂や法大生協では買えるそうです。

  22. 教科書、中島成久編『グローバリゼーションのなかの文化人類学案内』の第3章「家族とジェンダー」・第4章「政治とリーダーシップ」・第5章「交換と経済」(pp. ) 明石書店、2003年3月刊。

  23. 論文、「芸術表象とアイデンティティ―第8回太平洋芸術祭を中心に」 佐藤幸男編『太平洋アイデンティティ』(pp.85-119)、国際書院、2003年10月刊。

  24. 編著『オセアニアの国家統合と地域主義』(須藤健一・吉田集而と共編)、山本論文は、「上からの統合、下からの統合―サモア社会の国民統合と村落構造」(pp.317-354)、JCAS連携研究成果報告6。大阪:国立民族学博物館地域研究企画交流センター、2003年12月刊。

  25. 編著『性と文化』法政大学出版局。(同名の総合講座の講師陣をもとに編集)。2004年3月刊。山本論文は、「ジェンダーの境界域―ポリネシア社会の男の女性(マン・ウーマン)」(pp.187-219)

  26. エッセイ、「太平洋芸術祭―文化の見本市」『まほら』no.41, pp.40-41, 2004年10月、旅の文化研究所。

  27. 編集『京セラ文庫「英国議会資料」資料集VIIサモア諸島』、CDrom版、2004年12月。

  28. エッセイ、「ポリネシア・サモアの観光開発と伝統芸能」『ACCU News』348号, pp.2-4, 2005年3月、ユネスコ・アジア文化センター。

  29. 教科書、山下晋司編『文化人類学入門―古典と現代をつなぐ20のモデル』の第二部「女性」pp.105-116、弘文堂、2005年4月刊。

  30. 論文、「サモア社会における女性の仕事の復興―市場経済下のジェンダー役割分担の保守と変容」 原伸子編『市場とジェンダー―理論・実証・文化』pp.295-313、比較経済研究所研究シリーズ20、法政大学出版局、2005年7月刊。

  31. 訳書、マーシャル・サーリンズ著『歴史の島々』法政大学出版局、ウニベルシタス叢書、2005年9月下旬再版刊。

  32. 論文、「白人とネイティヴのカテゴリーをめぐって――ドイツ統治下のサモア」藤川隆男編『白人とは何か?―ホワイトネス・スタディーズ入門』刀水書房、定価2,310円、2005年10月中旬刊。

  33. 論文、'Pacific Islands Studies in Japan.' 『亞太研究論壇』第30期, pp.76-95, 中央研究院(Academia Sinica)亞太區域研究専題中心、2005年12月。

  34. 編著、Matori Yamamoto ed. Art and Identity in the Pacific: Festival of Pacific Arts. JCAS Area Studies Research Reports no.9. 10+132pp. Osaka: The Japan Center fo Area Studies, National Museum of Ethnology. 2006 February.

  35. 特集論文の序論、「<特集>日本のネイティブ人類学 序―ネイティヴ人類学の射程」『文化人類学』71(2):196-201、2006年9月。

  36. 教科書、綾部恒雄・桑山敬己編『よくわかる文化人類学』の「V. 文化と経済」pp.32-41, 京都:ミネルヴァ書房、2006年10月。

  37. 教科書、江原由美子・山崎敬編『ジェンダーと社会理論』の「第9章 ジェンダー研究と文化人類学」pp.121-134, 東京:有斐閣、2006年12月。

  38. 論文、「大国の先住民と弱小国民との分岐点――ハワイとサモア」綾部恒雄『講座世界の先住民族10――失われる文化・失われるアイデンティティ』pp.356-370, 東京:明石書店、2007年2月。

  39. 論文、「エスニシティと『貨幣』――国境を越えるサモア人の交換とアイデンティティ」春日直樹編『貨幣と資源』資源人類学シリーズ、東京:弘文堂、pp.109-143、2007年12月。

  40. 論文、Migration and Tourism Development in Samoa. People and Culture in Oceania 24: 51-66. Japanese Society of Pacific Studies, 2008.

  41. 事典項目、「性別分業」日本文化人類学会編『文化人類学事典』東京:丸善出版社、pp.172-175、.2009年。

  42. 教科書、「M.ミード『男性と女性』」井上俊・伊藤公雄編『近代家族とジェンダー』京都:世界思想社、社会学ベーシックス、pp.147-156、2010年。

  43. 論文、「サモア独立国(西サモア)の政治と選挙制度―保守と革新の間―」熊谷圭知・片山一道編『朝倉世界地理講座 15 オセアニア』朝倉書店、pp.302-316、2010年。

  44. エッセイ、「ニュージーランド在住太平洋諸島出身アーティストの芸術の形」床呂郁哉・河合香吏編『「もの」の人類学』京都大学学術出版会、pp.263-269、2011年。

  45. 論文、Nationalism in Microstates : Realpolitik in the Two Samoas, Keizai-shirin; The Hosei University economic review 78(3): 283-299, 2011.

  46. 論文、Role of Japanese Anthropology in the World System of Anthropological Knowledge. Gustavo Lins Ribeiro ed. Global Anthropologies. Beijing: Intellectual Property Publishing House, pp.85-92, 2012.

  47. 共著論文(+Cindy Yoshiko Shirata)Evolving Transnationalism in the Asia-Pacific Region: The Perspective of Social Science in Japan. 『学術の動向』2012年2月号, pp.98-108。

  48. 論文、「京都大学ポナペ島調査と南洋群島」ヨーゼフ・クライナー編『近代の<日本意識>の成立』東京堂出版、pp.152-165、2012年。

  49. 共著(+小谷汪之、藤田進)『土地と人間 ――現代土地問題への歴史的接近』シリーズ21世紀歴史学の創造第3巻、有志社、2012年。

  50. 論文、「選挙制度のグローカリゼーション――サモアの近代」須藤健一編『グローカリゼーションとオセアニアの人類学』風響社、pp.123-153、2012年。

  51. 論文、「サモア社会に公共空間は存在するか?」柄木田康之・須藤健一編『オセアニアと公共圏―フィールドワークから見た重層性』昭和堂、pp.88-106、2012年。

  52. 共編著(+山田亨)『ハワイを知るための60章』明石書店、2013年2月15日。

  53. 論文、研究ノート「トンガ調査覚書 : サモア産ファインマットを追って」『経済志林』80(3): 289-307、2013年3月15日。

  54. エッセイ、「ポリネシア・サモアのダンス」等、星海舟編著『世界のダンス―世界舞踊祭TOKYOから発信』不昧堂、2013年3月29日。

  55. エッセイ、「ニュージーランド・オークランド市のパシフィカ・フェスティバル」『国際人権ひろば』no.111,pp.12-13、2013年。

  56. 論文、「生殖補助医療と家族関係」研究会<戦後第一世代の歴史学研究者は21世紀に何をなすべきか>編集『「3.11」と歴史学』pp.275-293,有志舎、2013年。

  57. 記事、Independent State of Samoa GWEC Editorial Working Committee ed. A General World Environmental Chronology pp.806-807, Tokyo: Suirensha. 2014.

  58. 論文、「イフォガ―サモア社会の謝罪儀礼」丹羽典生編『<紛争>の比較民族誌―グローバル化におけるオセアニアの暴力・民族対立・政治的混乱』春風社、pp.43-66、2016年。

  59. 論文、「グアム開催第12回太平洋芸術祭と文化の政治」『経済志林』84(4): 103-132、2017年。

  60. 論文、「ファイン・マット復興運動と女性の現金獲得―サモア独立国ジェンダー開発政策」『経済志林』85(4): 775-802、2018年。

  61. 論文、The bodies and art forms of the Pacific Islander artists. Ikuya Tokoro and Kaori Kawai eds. An Anthropology of Things, Trans Pacific Press, pp.321-326、2018年。

  62. 教科書、「文化とパーソナリティ:マーガレット・ミード」「経済人類学と構造主義歴史人類学:マーシャル・D・サーリンズ」岸上伸啓編『はじめての文化人類学』ミネルヴァ書房、pp.37-52, pp.108-113、2018年。

  63. 教科書、「文化と経済」桑山敬己・綾部真雄編『詳論文化人類学―基本と最新のトピックを深く学ぶ』ミネルヴァ書房、pp.45-60、2018年。

  64. 著書、『グローバル化する互酬性―拡大するサモア世界と首長制』弘文堂、2018年10月。

  65. 論文、「オセアニア芸術とは何か―王立美術アカデミー開催のオセアニア展によせて」『経済志林』86(3・4)305-329、2019年3月。

ダウンロード可能のものには、業績カテゴリーの箇所にリンクを張ってあります。


近 刊

  1. 著書『針の穴から世界を見る――サモア近代史と世界システム』まだ4分の1ほどのできです。


エッセイ・論文


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